【今さら聞けない!】NFTの基礎知識、注目されている理由をわかりやすく解説!
近年、デジタルデータが数千万~数億円で取引されているといったニュースを聞いたことはありませんか?
その正体は、NFT。
今回はNFTの基礎知識、市場規模と注目されている理由、活用例、将来性について解説します。
NFTとは何か?
NFTとは、「Non-Fungible Token」の頭文字を取ったもので、日本語で「非体替性トークン」という意味です。
ちなみにNFTと共によく耳にする「仮想通貨」は代替性トークン(FT)と呼ばれています。
今までアートや写真などのデジタルデータは簡単にコピーができる為、その価値を証明するのが難しいとされてきました。
しかし、NFTはデジタルデータであっても、その作品が本物かどうかや、取引の記録を証明することができます。
さらに偽造や改ざんが難しいブロックチェーン技術を用いて管理している為、簡単に書き換えることはできません。
非代替性ってどういうこと?
言い換えると「替えが効かない、唯一無二の」という意味になります。逆に代替性は、「替えが効く」ということ。
例えば、Aさんが持っている1,000円札とBさんが持っている1,000円札は紙幣価値が一緒なので、代替(交換)が可能です。
一方、作家の直筆サイン入りの本は普通の本と同じ価値ではない為、代替(交換)が不可能ということになります。
つまり、NFTは「替えが効かない」トークンの為、唯一無二の価値を持っているという特徴があります。
NFTが注目される理由とは?
NFTの市場規模は近年急速な拡大を見せています。
2019年は約300億円の市場規模だったものが、2021年には2兆円規模にまで拡大をしています。
NFTがここまで注目された背景には、NFTのある4つの特徴が考えられます。
1.非代替性(唯一無二性)
2.取引可能性
3.相互運用性
4.プログラマビリティ
それぞれ説明していきましょう。
1.非代替性(唯一無二性)
前述したように、NFTはブロックチェーン上で構築されているため、作成するデータに対して「唯一無二の価値」を付与することができます。つまり、データであっても現物の絵画や宝石などと同じようにコピーや改ざんができない、一点物を作成することが可能ということです。
2.取引可能性
NFTは特定の組織にではなく、非中央集権的なブロックチェーンによって管理されています。そのため、ビットコインなどの暗号資産と同じように、所有するNFTを自由に移転・取引することが可能です。例えば、デジタルデータとして描かれたイラストを購入した人が、他の人に所有権を移転するといったことです。
3.相互運用性
NFTは共通の規格である「ERC721」で発行されているため、この規格に準じているウォレットやマーケットプレイスであれば、原則どこでも取引が可能です。そのことにより、デジタルアートの作者などは規格を遵守していれば、世界中の人に作品を見てもらうことが可能になりました。
4.プログラマビリティ
プログラマビリティとは、NFTに様々な付加機能をプログラムできることを言います。
プログラマビリティを利用することで、2次流通時の手数料や取引数量の制限などを事前にプログラムすることが可能になります。このプログラムを活用することで、NFTが作者の手元を離れても「流通時には購入代金の一部が作者に振り込まれる」というような仕組みを作ることができます。
また、このプログラマビリティを活用することで、NFTの作者はJASRACのような著作権を管理する団体を介さずに手数料を徴収することも可能になります。
これら特徴を踏まえ、NFTは固有の価値を証明することが可能になり、アート作品にとどまらず、会員権や不動産の所有や売買が実現するなど、あらゆる分野にも活用できることから、NFTが注目を集めています。
NFTの具体的な活用例
現在では色々な分野において実用化が進んできています。
その中から、今回は「ゲーム」と「アート」を紹介しましょう。
ゲーム
この言葉は、近年、動いて稼ぐMove to Earn、遊んで稼ぐGame to Earnなど「〇〇して稼ぐ」といった新しい稼ぎ方が注目されています。
その中でも、「動く」ことでお金を稼げるSTEPN(ステップン)が注目を集めています。
STEPNは、NFTの靴を購入し、その靴を履いて実際に歩いたり走ったりすることで、報酬として仮想通貨を得られるNFTゲームです。
日常生活の中に取り入れながら簡単に稼げることから、世界中で多くの方がプレイしています。
アート
絵画やイラスト、写真などのアート作品は、これまではモノとして取引されるのが一般的でした。しかし、NFTによって無形のアセットにも所有の証明ができることになり、デジタルアートにも希少価値を持たせることが可能になりました。
NFTアートには独自の売買プラットフォームが存在し、オリジナル作品の購入はもちろん、自分の作品を販売することもできます。
ここでは、日本と海外のNFTアートニュースを紹介しましょう。
日本
・2021年上旬には、有名タレントの香取慎吾さんがNFTアートを利用したチャリティプロジェクトを開始し、わずか1日で1万人の参加者を達成したことで大きな反響を呼びました。
・2021年9月17日には弱冠8歳の少年が夏休みの自由研究として取り組んだNFTアート作品がなんと約240万円で購入され非常に話題となりました。
海外
海外でも2021年3月、デジタルアートに75億円の値が付いたと大きなニュースになっていました。
”米国人アーティストのビープル(Beeple)が制作したデジタルコラージュ作品が競売にかけられ、11日、6930万ドル(約75億円)で落札された。競売大手クリスティーズ(Christie's)が発表した。デジタルアートが、高い利益を生む新たな創作分野として急速に確立しつつあることが示された。落札されたのは、「Everydays: The First 5,000 Days(毎日 最初の5000日間)」と題された作品。落札額は、非代替性トークン(NFT)作品の競売で史上最高額となった。”
引用:https://www.afpbb.com
NFTの将来性は?
現在、日本では有名人や大手企業が続々とNFT市場に参入しています。
先程紹介した香取慎吾さんをはじめ、元体操選手の内村航平さん、関口メンディーさん、エイベックス株式会社のCEOである松浦勝人さん、与沢翼さんなどがNFTアートに参入しています。
また、スクウェア・エニックス、吉本興業、阪神タイガースなど大手企業も参入しており、日本でも一気に普及する可能性があります。
しかし、まだ活発に実用化が進んでいるとは言えません。
今後のビジネス展開として、NFTの代替不可能な特徴を生かし、所有の証明や身分証明が必要な分野、著作権やアートの分野で実用化が進んでいくと予測されています。このようにあらゆる分野でNFTコンテンツが広がり、多くのビジネス領域で活用されることになるでしょう。
これからのデジタル社会をさらに促進させるNFTについて、今後も最新の動向に注目していきましょう!
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・NFTとは?仮想通貨との違いや利益を出す方法、最新の活用例を紹介
・NFTとは?仕組みや始め方を完全初心者にもわかりやすく徹底解説!
・【図解】NFTとは?仕組みや始め方・購入方法をわかりやすく初心者向けに解説
2022年12月23日
ITマネジメント事業部 矢島大樹