【生成AI】種類によって返答は違う? ~旅行計画を立ててみて!~
皆様こんにちは!
突然ですが、最近巷で噂の『生成AI』
皆様使用されたことはありますでしょうか?
生成AIとは、「ジェネレーティブAI(Generative AI)」とも呼ばれるAI(人工知能)の一種です。
AIを用いてクリエイティブな成果物を生み出すことができるのが特徴的で、生成できるものは楽曲や画像、動画、プログラムのコード、文章など多岐にわたります。
以前トピックスとして取り上げた『MidJourney』『ChatGPT』『Bing』も生成AIの一種です。
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従来のAIと異なる点として、生成AIは「0から1を生み出す」のが特徴です。
AIがまるで人間のように成果物を作成できる点で、人間のアクティビティの強力な手助けになると注目されています。
弊社内でも、プログラミングに行き詰ったときに生成AIに指示を出して一部のコーディングをしてもらう、プレゼンで使う画像イメージを出力してもらうなど、既にビジネスで活用しているメンバーもおります。
また、生成AIは自然言語で指示出しができるという大きなメリットがあります。
これまでのAIは、大量のデータの処理やルールに沿った作業を得意としていましたが、イレギュラーへの対応を苦手としていました。
生成AIは、あいまいな表現ができる自然言語での指示出しができる点で、より気軽に利用できるようになったのではないでしょうか。
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では、生成AIは一体どのくらいあいまいな表現に返事することができるのか?
種類ごとにどんな違いが生まれるのか?
回答の精度・正確さは高いのか?
ということで、今回はいくつかの生成AIに同じ質問を投げ、その返答を見ていきたいと思います!!
検証したのはこちらの5種類の生成AIです。
①生成AIの代表格『ChatGPT』
②文章生成が得意な『Google Bard』
➂検索ポータルに組み込まれた『YouChat』
④GPT-4を無料で利用できる『Bing』
⑤信頼性の高い情報を提供してくれる『Perplexity AI』
世間は夏休みということで、お題は「夏休みの旅行計画」に設定したいと思います。
設定はこちらです。
・行先 …京都
・目的 …観光
・期間 …8/11(金)~8/13(日) 3日間
・予算 …5万
・宿泊先 …ホテル
・移動手段…新幹線、電車、バス
・要望 …有名な観光地を見たい
ではまず、AIたちにこちらを投げかけてみました!
「旅行の計画を立てたい」
だいぶアバウトな内容ですが、一旦こちらで様子見してみます。
①ChatGPT
かなり自然な対話からスタートし、一般的な旅行計画のステップを8個提示してくれました。
内容を読んでみると、確かに旅行計画には必要なステップだなと思いますので、的を射た内容になっていると思います。
(回答結果が長いので画像は割愛させていただきます。)
また、最後にはこんな文章も↓
文章はなかなか人間に友好的な感じです。
②Google Bard
こちらもChatGPTと同じように、一般的な旅行計画のステップを提示してくれました。
違いとしては、ChatGPTは8ステップだったのに対し、Google Bardは10ステップまでありました。
また、文章が端的でChatGPTよりフレンドリー感はないです。
➂YouChat
YouChatもChatGPT、Google Bardと同様、旅行計画のステップを出してきました。
YouChatは6ステップでした。
また、チャット横の「Related web results」ウィンドウに関連するWeb検索結果が表示されました。
参考にできるサイトが表示されるのは便利ですね。
④Bing
こちらも同じように旅行計画のステップですが、5ステップと一番個数が少ない結果となりました。
また、関連サイトなどの「詳細情報」をタグのような形で文章中に混ぜ込んできました。
文章中に絵文字が入っていたのは5選手のうちBingだけでした。
⑤Perplexity AI
こちらも旅行計画のステップを7個提示してきました。
文章の上部に「Quick Search」として関連サイトが表示されました。
画面下部には、この質問に関連した他の質問が「Related」として表示され、クリックすると同じように「Quick Search」から始まる回答が展開されました。
「旅行の計画を立てたい」だけでは、計画を立てるために必要なことを返事されてしまい、実際の旅行内容は提示してくれませんでした。
プロンプトエンジニアリングの難しいところで、欲しい回答を得るためには質問の内容を工夫する必要があります。
今回はその典型例になりました…
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では、次は旅行するにあたっての条件を具体的に投げかけてみることにします。
「下記の内容に沿って旅行プランを立ててほしい。
・行先 …京都
・目的 …観光
・期間 …8/11(金)~8/13(日) 3日間
・予算 …5万
・宿泊先 …ホテル
・移動手段…新幹線、電車、バス
・要望 …有名な観光地を見たい」
まず、一番特徴的だったのは④Bingでした。
何日にどこに行く、という具体的なプランはなく、おすすめのスポットのみが表示されました。
食べ物については、”食べ歩き推奨”以外のヒントは出ませんでした。
Bingをより詳しくした説明だったのが➂YouChatでした。
こちらが出した条件に沿って詳しく解説してくれましたが、Bingと同じく具体例はありませんでした。
若干具体性があったのは⑤Perplexity AIでした。
特長的だったのが、日程の3日目に「帰国」が入っている点です。
今回の条件には「どこから京都に行くのか」という出発地情報が含まれていないため、AIが自由に解釈したのだと思われます。
また、観光地として実際の観光スポットの説明があり、上の2つと比較すると「京都」の特色を掴んでいるようです。
結果として、旅行ツアーのような具体的な旅の内容を考えることができたのは①ChatGPTと②Google Bardでした。
まず①ChatGPTです。
新幹線を使うという交通手段がクリアされていますね。
観光地とその特色を細かく説明してくれているので、どこで何をしたらいいかわかりやすいです。
②Google BardはChatGPTよりもう少し内容がライトに見えます。
何日にどこに行けばいいか明確で、このプラン通りに行動すれば旅行できそうですね。
一点違和感としては、8/13に新幹線で帰宅する行程がないため、行ったっきりいつ帰るのか不明なプランになってしまいました。
(そのままずっと京都に留まっていてほしいという意志の現れでしょうか…(笑))
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では、本当にAIが考えたプランで旅行できるのでしょうか?
実際に行って検証してみたいところですが、今回は乗換案内とマップ上で調べて検証してみたいと思います!
※仮定として、宿はChatGPTおすすめの京都駅周辺に取るということにします。
まずはChatGPTから見ていきましょう。
Day1の行程ですが、午前から午後にかけて新幹線で京都へ、その後伏見稲荷や清水寺へとあります。
新幹線は早ければ東京ー京都間を2時間ほどで移動できますので、問題ないかと思います。
京都駅から伏見稲荷大社、京都駅から清水寺も短時間で移動でき、1日目は問題なく観光できそうです。
Day2は、朝に金閣寺、昼は錦市場や先斗町、午後は嵐山の予定です。
マップにまとめるとこのようになりました!
どのスポットも、40分弱程度で移動できることがわかります。
最後にDay3は、早朝から銀閣寺・哲学の道・南禅寺付近、午後は京都御所や京都国立博物館を回った後、夕方には新幹線で帰る予定です。
マップでのまとめ結果はこちらです。
京都御所から京都国立博物館の移動が1時間程度あるので、どちらも回るとすると午後は駆け足な観光になりそうですが、理論上は十分可能なルートかと思います。
ChatGPTに考えてもらった旅行プランは、京都をまんべんなく回ることができるコースでした。
初めて京都を訪れる人には、いろいろな見どころを見ることができ、最適なコースかと思います。
京都中を移動するため、長距離の移動に慣れていない人には若干つらい行程かもしれません。
では次にGoogle Bardの方を見ていきましょう!
1日目は、午前に東京-京都間を新幹線で移動、午後はホテルにチェックインし、夕方から祇園で夕食となっています。
マップに落とし込むとこちらです。
ChatGPTのDay1/清水寺コースと近いかもしれませんね。
2日目は、午前に清水寺を観光、午後は錦市場で買い物し、夕方は八坂神社となっています。
マップではこのようになりました。
狭い範囲を何度か往復しているように見えます。
また、京都の東の方を集中して観光していることがわかるかと思います。
最終日3日目は、午前中に金閣寺、午後~夕方は嵐山となっています。
流石に最終日は帰宅しなければなりませんので、嵐山から京都駅までのルートも追加しました。
3日目は、京都の北~西を回るようですね。
Google Bardは回る観光スポットが絞られている分、余裕をもって観光ができそうです。
個人的に、2日目は清水寺⇒八坂神社⇒錦市場の方が移動効率が良いと感じましたので、オリジナルで少しルートを変更しても良いかもしれませんね。
以上、2パターンの観光プランを検証してみました!
時間の都合上今回は理論上での検証になりましたが、どちらも京都の観光スポットを回る(理論上は)無理のないプランだったかと思いますので、回答の精度は高いと言ってよいでしょう。
ところどころ「ん?」と思う行程は自分の理想に沿うように変更する必要がありそうですので、まだ人間の考えるプラン程精密ではないのかもしれません。
冒頭でご紹介した「人間のアクティビティの強力な手助けになる」という特徴を踏まえると、生成AIが作った成果物をしっかり自分でチェックする必要がありそうですね。
「AIが人間の仕事を奪う」なんて噂もありますが、まだまだ人間の仕事は減らないようです。
参考:生成AI(ジェネレーティブAI)とは?種類・使い方・できることをわかりやすく解説
参考:Perplexity.AI の使い方まとめ。 ChatGPTとの違い・活用法を徹底解説!
参考:観光マップ/京都観光オフィシャルサイト 京都観光Navi
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★ 【Power Automate Desktop】ITSウォーキングラリーの通知機能を作成してみた
★ Modern Work部門において「Microsoft Top Partner Engineer Award」受賞↓
★モダンワーク実現「次世代型LCM3.0」についてはこちら↓
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2023年7月31日
ITマネジメント事業部 輿石 裕希